「立ちたさ_」展 2023

「立ちたさ」 Barnett Newman と対峙 in Washington, D.C.
「立ちたさ」 vs 「十字架の道行」「存在せよⅡ」
伊宝田隆子 vs Barnett Newman
会期
2023年1月17日-1月28日 日曜休み 12時~19時 12:00~19:00 最終日17:00まで
会場
人形町ヴィジョンズ 日本橋堀留町 中央区 東京
クレジット
©2022 Barnett Newman Foundation New York / ARS,NY / JASPAR, Tokyo E4980
イベント
トークイベント 1月28日 (土) 14:00- ゲスト / 竹田賢一
公開パフォーマンス 1月28日(土) 17:00- 「展覧会をバラしながら立つ」
協力スタッフ
テクニカルサポート / 斉藤梅生(FLEXTONE)
設営協力 / 谷佳那香・宮川聖児 翻訳 / 竹田賢一・東海明子
イベント協力 / 加藤初代
助成
アサヒグループ芸術文化財団
動画
リーフレット
ご覧になりたい方は問い合わせフォームよりご連絡をください。
この展覧会について
シリーズの第3弾、Newmanの出身国であるアメリカ合衆国の国立美術館でのパフォーマンスです。美術館とは2019年よりやりとりが始まり2020年1月に正式な許可がおりまし た。その後、COVID-19パンデミックの影響により延期され、2022年9月に決行しまた。 2020年はNewman 没後50年の記念の年でした。記念のイベントなどは行われなかったようですが、Newmanは抽象表現主義を率いた美術史的にも大変重要な芸術家です。 私は共演し、その作品を展示することで、微力ながらNewman作品の今日的解釈の補助線 となりたいと思い企画しました。 (2022年秋)
メッセージ
Dear Takako, This is a beautiful sketch, really a piece of concrete poetry. Speaking of poetry, it reminds me of a line from The Four Quartets by T.S.Eliot (widely read by the Abstract Expressionists): “Humankind cannot bear very much reality.”
Harry 01.13

Dear Takako, Thank you for acknowledging me & Emily. I see no problems with any of the English text. I like the photograph a lot. Good luck with the exhibition!
All good. Text is fine, photographs beautiful.
Harry Sent from my iPhone
** *

Harry Cooper / Senior Curator and Head of the Department of Modern and Contemporary Art
コメント
芦部智子(人形町ヴジョンズ ギャラリースタッフ)
今回のパフォーマンス及び伊宝田さんがニューマンの前で立つ行為については、これまでいろいろな方が批評をしてきたし、伊宝田さん自身もかなりの日数をかけ文献や資料を当たり、道筋を立てた上でパフォーマンスに挑んでいるが、これから書く事についてはそういうバックグラウンドは関係なく私個人の感想である。

「十字架の道行き」の前でパフォーマンスをする伊宝田さんの映像を見て子供が初めて立った時の事を思い出した。

伊宝田さんから今度はワシントンの美術館でパフォーマンスができそうなのでその成果・発表の展示を行いたいと連絡をいただき、実際にパフォーマンスを行って展示を開催するまでかなりの時間が過ぎた。
それは世界中に蔓延した新しいウイルスの影響や美術館の修繕工事が原因している。

私はその間に子供を産み、その子供は生まれた頃はただ寝たきりだったが、寝返りを覚え、ハイハイをするようになり、ついには立ち上がった。
今では、最初から歩けましたけど!という風にさも当然に走ったりジャンプしたりしている
自分が初めて立ったときの記憶はもうないだろうし、その時どういう気持ちだったのかは子ども自身にも分からないだろうが、ニューマンの絵の前で立ち上がっている伊宝田さんを見て、やはり立つという行為は、立ちたいという「気持ち」と言うよりかは「本能的」なもののように思えた。

映像の中の伊宝田さんは長い待ち時間を耐えてやっと実現できた事への喜びとこれまでの苦労が身体に現れているようにも思えたし、偶然ではあるが最後の方で鳴る美術館開館前の鐘の音が二人の空間の畏怖、緊張、親密さを深く感じるような印象的なものとなっていた。

今回映像を3面で流していたが、1面のときと違い没入感が増してより集中して見ることができた
欲を言えば前回の展示の時も思ったがもう少し広めのスペースで見てみたい。
感想ノートより
仕事帰りに立ち寄らせて頂きました。50分間、どんどん頭の中がからっぽになっていく感覚をおぼえました。日頃接することのない人間とアートの世界、とても新鮮でした。
エネルギーを感じました。
素直、だと思いました。面白かったです。
時に身をゆだねてじっくりと隆子さんの行為と対峙できたような気がします。
パフォーマンスの際に鳴っていた鐘の音が偶然の産物だったとわからなかったくらい調和していて興味深かったです。Mindfulness との関連を考えました。
知的な、美的な刺激を大いに受けました。たいへん広がりのある作品のようで、今後、様々な人や場所と融合したものが期待できると感じました。
映像はとても静寂の中なのに見ていてとてもエネルギーを感じました。隆子さんにお話を聞くこともできてとても刺激的な時を過ごせました。
とてもパワフルでした。人はアートやポエトリーがあるから生きてゆけるのだと再確認出来ました。
「たちたさ」という言葉の短さと、それが意味する長い時間に心をうたれました。
リラックスした時間を過ごせて楽しかったです。
素晴らしい筋力、体幹軸の強さに感動しました。
頭が無になり、見ていて引き込まれました 立ちたさの不思議な魅力です。こんな風にいつも時間を感じないでいられたいと思いました。
カメラ位置によって受けとれるものがちがう、ということに気づけたことが面白かったです。外側の形の美さは1、身体の中の流れは3がいちばんよくうけとれました。途中で時間がつままれていたのがちょっと気になったけど。
ニューマンは垂直な人間存在を彼のzipに込めていたと思います。それと見事に呼応した素晴らしいパフォーマンスでした。
絵画の垂直さと立っていく過程があいまって自分の中に様々な心象が沸いては消え沸いては消えていきました。
映像見てると次どう動くのか考えてしまうがなかなか思っているのと異なる展開つづきだった。何でかな?
アムステルダムでのパフォーマンス以来でした。ワシントンでの「立ちたさ」はまた別の新しい た・ち・た・さ でした。
空間を囲う絵とぬいあげながら垂直に立つんだ。床にねころがったときに冷たいと感じた苦悩を昇華していくキリストの最後の苦悩(?)とコロナ禍の今が垂直方向に昇る力で昇華されていくような深く感じるところがありました
「立ちたさ_」の新たな見方が出来ました。立つというシンプルなテーマの人生をかけているのはステキです。映像ずっと見てられます。
「立ちたさ」の途中、人は「座る」過程を経るのだなと思いました。
静かな中の変化が興味深かったです。
今回も興味深く見入ってました。3方向おもしろいと思いました。あと、発芽映像を思い出したりしました(理科のときに見たビデオの、タネから芽が出る倍速?のような映像)。
じょうるりもない、メソッドもない、ぶとうでもない、すごいパフォーマンスだ。ダンスではない、素描、しぐさ、むいしき、しせい
美しかったです。改めて思ったのですが伊宝田さんにとっての「立ちたさ」は自分の衝動としてやっているのか、“魂の理解者”的なものを求めての行為なのかが知りたくなりました。
ニューマンの垂直線、衣装のかたち、続いていく動き、ホワイトキューブでさまざまに見れたこと、やっぱり来てよかったです。
今 このときの、この感情、この身体で「立つ」っていうか、その時だけのすごい体験かな? つづけることにも意味があるんだなぁ
生きるって瞬間瞬間の連続だと実感しました。特別でない一瞬が特別で、だけれど、特別でもない。表現だけど表現でもなく、生きていること自体が表現なのだけれど、とりたてて「表現してるゼ!」と勝ちほこるでもなく。ということをつらつらと考えていました。
時間を表現しているようでした
その場にいる感覚になれました!
初めて拝見しました。吸い込まれるような不思議な感覚になり無心になれました。大自然の中でぼうっと景色を眺めているような気分といいますか、例えるのが難しいですが。ありがとうございました。
「立ちたさ」初めて見ました。何かに引っ張られるようで、それに対して何か葛藤しながら立っているようで興味深かったです。
3面のディスプレイで様々な表情とスタイルを同時に見られて面白かったです。Newmanのミニマルな絵にさし色のようなオレンジの服がキレイなコントラストで生と死の対峙に感じられました。
色がすてきです。動きと姿は詩を産み出します。流れは、エネルギー、見る人を勇気付けます。
すごい集中力ですね‥!
予備知識ゼロでビデオを見ました。何を考えながらパフォーマンスしているんだろう、と思いながら。観た後会場のメモ(設計書?)をみて納得。そうか、こういう気もち(感覚)でやっているのか、とさらに深く理解できました!!
今日は隆子さんを通して重力を感じました。
スケッチ
小龍包(2022n年10月)パフォーマンス後、Harryさんに描き送ったものの1枚