川村浪子(歩行)+ 伊宝田隆子(立ちたさ)

美学校ギグメンタ2006参加企画
パフォーマンスと「立ちたさ_」2001-2005活動記録展
日時
2006年04月15日
会場
美学校 神保町 千代田区 東京
共演者
川村浪子(歩行)
この日の日の入り時間は18時14分、パフォーマンス開始は18時頃。
徐々に暗くなっていく自然光、奥の部屋から聞こえるテレビの音。流れていく時を共有しながらのパフォーマンスでした。
あいさつ文
桜の季節となりました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
この度、パフォーマンスイベント ギグメンタ2006に参加する事になりましたので、
お知らせいたします。

 これまでも、地味にこの『立ちたさ』の活動は続けてまいりましたが、
発表をするのは2000年以来、実に6年ぶりとなります。
"ゆっくり立ち上がっていく"という行為を、パフォーマンスとしてみてみたい
というご要望は以前よりいろいろな方から頂いておりましたが、
今回、川村浪子さんのお誘いと励ましを受け、思い切ってこのような形で
発表してみようと思った次第です。

 川村浪子さんは舞踊や舞踊教育の傍ら、" 歩 行 "の行為を様々な場所で
なさったり、裸体、即興、ひとりおどり などのパフォーマンス活動も長い間
されてこられた方です。 なかなか見られるものではないので必見です!

 わたくしは相変わらずゆっくり立ち上がるだけです。 

夕方、日の入り時刻の前後の時間、
川村の行為"歩行"と、 伊宝田の"立ちたさ"の行為、
神保町の古いビル、たくさんのアーティスト達が作品を生み出してきたあの空間、
また現在に至っても様々な作品が生み出されつつあるアトリエ空間で、
必ずやなんらかの貴重な体験をして頂けるかと思います。

是非、見にいらしてください。
                  2006年3月30日 伊 宝 田 隆 子
コメント
心地良い緊張感の中で、
心と頭と体内の筋肉がふわっとほぐれて解放(開放)されたような気がしました。

ていねいに過ごす時間っていうのはとってもいろんなことを考えさせてくれますね。
植物のような伊宝田さんとあたたかい動物のような川村さんの動きを同時に感じられたのがおもしろかった。はじめに扉が開いて画材に囲まれた伊宝田さん、とっても美しかった!!

コラボレーションする事により予測不可能な状況が最後まで観客の緊張感を持続させた。
終わった時の開放感は会場の一体感の明かし。

静かな歩行の中にほのかな温度を感じるような緊張感とほどけた感じが共存しているような不思議で貴重な感覚を味わいました。
伊宝田さんたたずまいもすごく美しくてなぜか古い博物館に来たような(小石川あたりの…)気分になりました。また次回も知らせてください。
川村浪子 略歴
かわむら なみこ
幼少の頃、よく遊んだ村のお祭りで「野崎小唄」を踊ったのを原点にモダンダンスを経て
1974年から3年間、九十九里海岸で日の出前の2時間「立つ」という知覚のための行為を春夏秋冬続ける。
’79年秋に来日したアメリカのアナ・ハルプリンに出会う。以後2回サンフランシスコでのワークショップに参加。
‘83年より自然の中を裸体で歩行する行為を始める。
児童舞踊教育にも携わり、東京学芸大学や保育園で舞踊を教える。

自然からは何もしないことを学ぶ。立っているだけ、歩いているだけ。ゼロの状態にもっていかないと行為で知覚することはできない。知覚するためには演出してはいけないという思いに至る。無防備であること、How are you feeling now? を大切にしている。
リラクゼーションの先には身体の中に何が起こってくるか?何を感じるか?ということを言葉にしてみる、絵を描くなど、ヴジュアリゼーションを取り入れた即興ワークショップも行う。
公演、客演は多数
2000年代には『BOTTOMLESS/井戸に記憶される月』シリーズ(東京バビロン/北区)にて首くくり栲象と共演
2020年 「舞木」 MAIBOKU 三つの踊り(テルプシコール/中野)を企画・制作・出演 "川村浪子ひとり踊り"